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妻の生命保険でクラウンを買ったおじさんと、おばさんの幽霊の話

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この年になると、生命保険とか医療保険とかガン保険とか、「もしもの時の備え」について真剣に考えることが増えてきます。

それで、私がいつも保険について考える時によく思い出すのが、妻の生命保険でクラウンを買ったおじさんのことです。

このおじさんは私の血縁ではないのですが、当時、身内同然で家族ぐるみの付き合いがありました。

なので、おばさんの死の前後のことや、亡くなってからのぐちゃぐちゃを間近に見ていて、「お金って怖いな…」と、子供ながらに感じたのでした。

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おばさんの死と、疑われた母

おばさんが亡くなったのは私が小学生の時です。自殺でした。

おばさんは高速で走る車から突然飛び下りて死にました。私の母の目の前で死んだのです。

おじさんは実家の用事で故郷に帰っていました。

私と姉とおばさんの息子は3人でおばさんの家で留守番をしていました。夜、リビングでうたた寝していた私は警察からの電話で起こされました。

母は警察に疑われて数日間取り調べをうけました。

当然のことながら、おばさんの家は隣近所、親戚も巻き込んで大変な騒動になりました。

結局、おばさんの死に疑う余地はなかったようで、無罪放免となった母はおばさんの家の家事一切を引き受け、葬儀を取り仕切ったり忙しくしていました。

生命保険金を楽しみにするおじさん

自分の留守中に妻が自殺したことについて、おじさんが悲しんでいたのかどうか、よく覚えていません。

ただ、初七日が終わったくらいから高級車のカタログをいっぱい貰ってきて、嬉しそうに眺めていました。

私に向かって「おっちゃんどの車が似合うと思う?」と、ニヤニヤしながら聞いてきました。

自殺だと保険金が降りないから、無理やり事故死として処理してもらったと母と近所のおばさんが話していたのを聞きました。

とはいえ生命保険がおりなかった所もあって、7000万円入るところが3000万円になってしまったとも言っていました。

3000万円といえば子供からすればものすごい大金なのでビックリしたことを覚えています。

おじさんとおばさんはおしどり夫婦だったのに、死後数日でおじさんがすぐに立ち直って楽しそうにしているので悲しかったです。

おばさんの息子は、生前のおばさんが写ったビデオを繰り返して見ながら1人で泣いていました。一緒にいた母に「何で止めてくれなかったんだ」と責めたりしました。

それまで、おばさんの息子と母はすごく仲良しだったのに、おばさんが亡くなってから口もきかない関係になってしまいました。

母は責任を感じて、毎日おじさんと息子の世話をするためにおばさんの家に通っていました。

おじさんだけが有頂天で高級車のカタログを開いているのが子供心に不気味でした。

ほどなくしておじさんはクラウンを購入して、広いけれど古い借家のガレージに、場違いな白い高級車が駐車されることになりました。

おばさんが亡くなって四十九日で、おじさんはすでに別の若い女性と結婚の約束をして周囲にお披露目をしました。

「これじゃあ◯◯さんも浮かばれないだろう」と、誰かが言いました。

おばさんの幽霊

四十九日におばさんと親しかった人達が集まって、キッチンのテーブルで談笑していたのですが、その時、突然おばさんがあらわれました。

幽霊とか霊現象とか私は信じませんが、おばさんが目の前にあらわれて漂っていたことだけは、はっきり見えたし覚えています。

姿というか、妙にはっきり濃い影のような感じです。身体の形ははっきり見えるのに、肝心の顔(表情)が分からなくなっています。

その濃い影が、壁づたいに左右に移動してウロウロしていました。

キッチンにいた全員がおばさんを見て、「無念で帰ってきたのか?」と言っていました。誰も怖がってなかったし、泣いてもいませんでした。

おばさんはただ漂ってうろうろしているだけで、魂は無いようでした。10分くらいウロウロして消えました。

おばさんが消えた方の窓の向こう側を、みんなで外に出て見に行きましたが、おばさんの姿はありませんでした。

私は、あれはおばさんが最後に意思表示のために送ってきた「念」だと思いました。おばさん自身ではなく、ただただ無念さを伝えるために寄越したように感じました。

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クラウンの次は家を建てた

おじさんはクラウンを買った残りのお金を頭金にして、隣町に大きな家を建てました。

すぐに赤ちゃんも産まれ、そこからは母とおじさんが絶縁したので詳しいことは分かりません。

数年前、偶然おばさんの息子と再会をした時に「線香でもあげに来たってくれや」と頼まれましたが、母が反対するのでやめました。

おじさんは、おばさんの生命保険で欲しかった車を買って若いお嫁さんを手に入れて、家も新しくして、すごく幸せになれたと思います。

もしも生命保険がなかったら、妻を突然うしなって、生きる希望をなくして寝込んでしまったかもしれません。

そう考えるとやはり「もしもの備え」ってすごく大切だし希望になると思うのですが、間近でその経緯を見せられる側に立つと、どうにも複雑な気持ちにもなってしまいますね。

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