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育休中の保育園退所は不当? 所沢市を提訴する母親たちに共感できるか

埼玉県所沢市では今年4月から、子供を出産するために母親が育児休暇をとっている場合、保育園に通っている上の子供は退園させるという取り組みを始めました。

これは、子供の保育園入所を希望しながらも空きがなく困っている「待機児童(この場合は園児でしょうか)」を解消するために考えられたことです。しかし当事者となった育休中の母親たちが猛反発、所沢市を提訴する騒ぎとなりました。

 

母親たちの言い分は、「せっかく保育園生活になじんで楽しく通っている子供を退園させることは可哀想」「出産後に復職した時、同じ保育園に通わせられる補償が無い」「育児休暇は普通の休暇とは違い、復職のための準備期間という雇用形態である。こんな決まりが出来てしまったら、育児休暇をとることをためらう母親も増えて、少子化がいっそう進んでしまうのではないか」などなど。

 

それに対して所沢市は、「保育園は基本的に仕事を持つ母親の子供が利用するための保育施設である。入所できずに仕事につけない母親もいる中、待機児童の解消にはこの取り組みが必要。育児休暇終了後の保育園の入所に際しては、同じ保育園に戻れるよう配慮していく」と反論しています。

 

こういった、母親の育児休暇中には上の子供を保育園に通わせることができないと決めているのは、なにも所沢市だけではありません。他にも複数の自治体が同じような基準をさだめ、実行しています。

今回、この所沢市だけが大騒ぎになってしまったのは、最近になって新しく取り組みを始めてみたが、周知不足で保育園側や保護者の理解が進んでいなかったこと。また、大きなニュースとなった航空会社のマタニティハラスメント問題とタイミングが重なったことで、母親たちの意識が変わったこと。それらが原因ではないのかと、私は思います。

所沢市に対して訴訟をおこすことを記者会見で発表した母親たち。中には涙を流しながら、つらそうに訴える女性もいました。そんな様子を見てわたしが感じたのは、「どうして、ここまでナーバスにならなければいけないのだろう」ということです。

確かに、保育園になじんでお友達ができている子供を退所させることは、母親からすればきついことです。子供が可哀想にもなります。

しかし、退所と決められているのは2歳までの子供だけ。子供がそれより上の年齢なら、そのまま保育園に通わせられます。

 

保育園の集団生活の中でソーシャルスキルを学んだり、毎日お友達と楽しく遊ぶことは、子どもにとってとても大切なことだと思います。

でも、2歳までの子供なら、お母さんと一緒に過ごし、肌と肌を触れ合わせる時間で育まれることも沢山あります。お母さんと近所をのんびり散歩したり、児童センターで同年齢の子供たちと遊ぶ毎日が、保育園生活よりもマイナスになるとは考えられません。

また、お母さんのお腹の中にいる赤ちゃんに思いを馳せて、幼いながらも優しい気持ちを芽生えていくことも期待できます。

 

保育園は、一旦退所してしまったら同じ園には戻れないかも知れませんし、なかなか預け先が見つからず、困ることもあるでしょう。でも、保育園の空きをずっと待っていた人だっていたのですから、立場は同じなのです。

 

じゃあ仕方ないね。と、どうして思えないのでしょう。

「仕方ないね。でもママは、あなたと一緒にいられる時間が増えて、すごく嬉しいんだよ」と、子供に言ってあげることで自分自身も納得できるのではないかと思うのですが。

 

会見では、ある母親が「みんなが仲良く遊んでいる保育園から、私の子供だけ退所させられるのが可哀想で…」と泣いてましたが、それは違うような気もするのです。

みんながどう、誰がどう、◯◯さんはどう、…そんなことばかり気にしてしまうけれど、お母さんが思っているほど子供は落ち込んでもいなくて、新しい生活になんてすぐになじんでしまいますよ、きっと。

うちの長女は引っ越しの都合で2度幼稚園を転園していますが、自分が2歳の頃のことや、幼稚園の頃のことなんて、まったくなんとも思っていませんよ。写真見て、「あーそうだったんだ、ははは」くらいのものです。

 

 もし、育児休暇終了後に子供たちを通わせる保育園が見つからなくて困ってしまったなら、「前は保育園に子供を預けて働くことが出来て、あれってすごくラッキーなことだったんだなぁ、私って恵まれてたんだなぁ」と、周囲に感謝してみるのも良いのではないのかと、わたしは思います。

感謝することで見えてくる世界や、新しい親子関係が、きっとその先にはあるのではないでしょうか。